
【文芸】町内の悪を“アラ還”が退治する 小説「三匹のおっさん」(12)
- 1 ◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★ 2009/04/19(日) 11:01:13 ID:???0
- 『図書館戦争』シリーズや『阪急電車』などで今、最も注目され、“恋愛小説の女王”とも
評される作家の新作は、意外にも“アラ還”(還暦前後)のジジイならぬ「おっさん」が
主人公。時間をもてあました3人組が自警団を結成、人生経験に加え自慢の腕力知力を
駆使して、町内平和を乱す悪を退治する痛快ストーリーだ。
今のお年寄りは若い。そう実感したことが本書のきっかけとなった。有川さんのもとには、
なぜか、高齢者からのファンレターや読者アンケートが多く寄せられる。「『図書館戦争』は
男女問わず年配の方が多かったし、『阪急電車』は10通のうち7通ぐらいは40代から
70代」。感想の内容も若者と変わらず「おもしろいことに、年齢は関係ない」と思い知った。
「若い感覚をもった今のお年寄りを主人公にしよう」と決め、“心の素敵箱”の引き出しを
開けた。街でみかけたちょっと素敵なおじさまやカッコイイ居酒屋の大将…素敵箱に
しまい込んでいた人々が蘇る。日頃いろんな人と、おしゃべりしてきたことも生きてきた。
想像をめぐらせて誕生したのが「三匹のおっさん」たちだ。
定年退職後、ゲームセンターに再就職したキヨは剣道の達人。経営していた居酒屋を
息子夫婦に譲ったシゲは柔道家。工場を経営しながら一人娘と暮らすノリは改造
スタンガンを持ち歩く頭脳派。幼なじみの3人は、キヨの孫やノリの娘も巻き込んで、
詐欺やチカン、動物虐待などの事件を鮮やかに解決していく。おっさんたちの胸の
すくような活躍には思わず、拍手喝采。「このあたりの世代のパワーを使うと、とても
有意義だと思います」
キャラクターよし、テンポよし、ストーリー展開もよし。その上「いつも、今書いているものが
いちばん楽しいと思っているんです」と著者が言うのだから、読む楽しさも格別である。
(文芸春秋・1600円)
◇
【プロフィル】有川浩
ありかわ・ひろ 高知県生まれ。著書に『塩の街』『クジラの彼』『阪急電車』など。
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