
【コラム】官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ--経済評論家・山ア元 [03/18](15)
- 1 ライトスタッフ◎φ ★ 2010/03/18(木) 21:00:03 ID:???
- ■競争相手の問題もあるが
新興国向けのインフラ投資のビジネスが活況を呈している。『日本経済新聞』は、
朝刊一面左上のビジネスマンが電車でよく読むスペースで、3月12 日、13日と
「攻防 海外インフラ」という特集を掲載した。12日の記事によると、2030年までに、
新興国のインフラ投資で25兆ドル(約2250兆円)の需要があるとの試算もあるという。
日本のGDPの5年分近い額だ。こうした中、新興国のインフラ投資案件の売り込みは、
各国の政府を巻き込んだ政・官・民一体の受注競争の様相を呈している、というのが、
日経の特集の骨子だ。
そこで、たとえば、日本の技術力が高い原子力では、日本勢は、ベトナムの原子力
発電第一期の受注ではロシアの国営ロスアトムに敗れ、アブダビでは李明博大統領が
受注に乗り出した韓国勢に敗れた。
日経自身が結論を述べているわけではなく、政府がODA(海外開発援助)を通じて
受注に関与することの弊害についても触れているが、「これからのインフラビジネスは
官民が一緒になってやらなければならない」(小島順彦・三菱商事社長)とか「節度は
いるが、政府が一定の関与をすることは決して悪いことではない。他の国はより関与の
度合いが強い」(岡田克也外相)といったコメントを紹介するなど、日本勢の海外プロ
ジェクト受注に向けて、もう一段政府の関与を強められないかという方向性を滲ませて
いるように読めた。
確かに、主に新興国のプロジェクトに対して、海外勢が政府と一体になった売り込みを
かけているのは事実だ。特に、OECDに属さない中国とロシアは、かつての日本が
多用して批判されOECDの勧告を受けた「タイド・ローン」(使途に関して紐付きの
ローンの提供)も多用して海外ビジネスの獲得にいそしんでいる。
日本政府が全く海外ビジネスに関与しなかった場合、日本企業が他国よりも不利になる
ケースは多々ありそうではある。
それでは、日本政府はどこまで関与すべきなのだろうか。
■ファイナンス支援まで必要なし
三菱商事の小島社長がいう「官民が一緒」とは、どこまでの政府関与を指すものなの
だろうか。実は、二十数年前のまだ若かった頃、筆者は、その三菱商事で、海外プロ
ジェクトの金融回りの仕事に短期間だが関わったことがあるので、思わず考え込んで
しまった。
小島社長が、政府は、トップセールス的な関与も含めて、日本企業の海外受注のセールス
活動に「人的に」協力してくれ、という意味なら、岡田外相のいう「節度」の範囲だろ
うが、これが、ODAも含めて、ファイナンス支援(ローンだけでなく、巨額の保険
など各種のリスク負担も広義のファイナンスだ)まで含めた官民連携を指すなら、
それは「行き過ぎ」だろう。
受注競争にあって、ファイナンスの条件は極めて重要な役割を果たす。売り手が買い手に
提供する延べ払いやシンジケート・ローンのアレンジなどのファイナンスの条件は、
経済的には、プロジェクトの価格そのものだ。
※続く
◎ソース ダイヤモンド・オンライン「山崎元のマルチスコープ」
http://diamond.jp/series/yamazaki/10122/
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