もう23時か、

【コラム】「ゼロ戦」化する日本の情報技術(池田信夫)[09/06/17](1001)

1 本多工務店φ ★ 2009/06/17(水) 22:38:46 ID:???
世界最高の性能を生かせなかった悲劇の戦闘機

海外から来た友人が日本の携帯電話をみると、みんな驚く。
なにしろ携帯端末にテレビがついて、動画・音楽配信や電子マネーの機能までついているのだから。
しかし次に「このサービスはアメリカでもやっているのか?」と聞かれてノーと答えると、不思議そうな顔をする。
「なぜ海外でもやらないのか」と言うのだ。

この質問に答えるのは難しい。
正確に言うと、海外で携帯サービスをまったくやっていないわけではない。
NTTドコモの「iモード」は十数ヵ国でサービスを行なっているが、ほとんど普及していない。
これに対応した専用端末でないとサービスが使えないからだ。
欧州で主流になっているWAPはiモードに比べると機能は見劣りするが、
ソフトウェアを移植すればどの端末でも使えるため、先行したiモードを逆転した。

日本の携帯電話は、単体の性能としては世界最高水準だが、
それを使うシステムができていないため戦争に負けた「ゼロ戦」みたいなものだ。
ゼロ戦の性能は登場当時としては世界最高であり、日本の「ものづくり」の水準を世界に知らしめるものだった。
しかしそれが活躍したのは1年余りで、ゼロ戦の弱点の研究が進み、
グラマン(F6F)などの新鋭機が出てくると、それに対抗できなかった。

その原因は、ゼロ戦があまりにも「名人芸」によって開発されたため、
それを作れる技術者が少なく、性能をぎりぎりまで追求して完成度を高めたため、拡張性に乏しかったためだといわれる。
また戦闘機を援護するレーダーなどの情報機器の開発が遅れたため、攻撃態勢に入る前に撃墜されることが多くなった。
木村英紀『ものつくり敗戦』は、このようなシステム化の欠如が、ゼロ戦の性能を生かせなかったと指摘している。

「ものづくり」や「すり合わせ」ではビジネスに勝てない

このようにシステムとしての効率を考えないで、局所的な「ものづくり」や「すり合わせ」の完成度を高める傾向は、
戦後の日本の製造業にも受け継がれたが、自動車や家電では成功した。
この分野では、アメリカが圧倒的に世界市場で先行しており、そのシステムを真似ればよかったからだ。
アメリカも、冷戦の前線にある途上国だった日本には、技術を開放して工業化を支援した。

しかし1980年代以降、コンピュータが産業の主力になり、日本がアメリカのライバルになると、
OSやCPUなどのシステムを握ったものが「ひとり勝ち」する傾向が強まり、
著作権や特許によってそれを模倣することが困難になった。
日本は、自前で新しいシステムを構築する必要に迫られたのだが、
グランドデザインを考える習慣のない日本の技術陣は、依然として既存のシステムを残業の連続で改良する作業を続けている。

>>2に続く

ソース:ASCIIjp
http://ascii.jp/elem/000/000/428/428143/
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